Don’t Ever Say Goodbye

栄一さんは行かないのですか?

入社して3か月も満たない女の子の送別会
「早く辞めてくれればよいのに」
皆が口をそろえてそう言っていた
無断欠勤が多くろくに挨拶もしない
そのことにどの部署でも
陰口をたたいていたというのに

まあ自分も彼女の名前すら覚えてはいないのだけども

会社で組まされたグループライン
昼過ぎからずっとスマホが騒いでいる
もう会わないというのに今更繋がることに
何の意味があるのだろうか

人は誰しもが
自分を演じ
それぞれの物語の中で
分かりやすいくらい主人公を演じ
そのルールからはみ出すことをしない
透けて見えるやさしさ
偽りの会話

そんな日常に嫌気がさしながらも
同じように偽った自分で生きていて
少し風変わりでとっつきにくい自分を
気に入ってたりしている

 

それぞれが
それぞれの世界を生きているのならば
誰かと
交わることはあるのだろうか?

自己満足、自己完結の世界に
本当に共感や共鳴は存在するのだろうか?

やさしさという
自分勝手なエゴが
果たして他人に
安らぎを与えてれるだろうか?

 

 

 

現実と妄想が交差するこの世界
まだ見ぬ君に
過去に会えた君に

少しでも私が私であれるよう
今日辞めていった彼女の名前を
思い出そうと努力している。

 

 

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