#23 イノセント 4


撮影 Rulu

その頃‘しのちゃん’という子と親友になっていた。

毎日交換日記をしていたし、休みの度に遊びに行って、クラスの委員も何でも一緒だった。

ところがある日、‘しのちゃん’は何かの病気で2ヶ月も入院した。

私は寂しくて‘しのちゃん’が早く学校に来ないかと毎日待ちわびていたのに

やっと‘しのちゃん’が退院して間もない頃に、私の転校が決まった。

その頃から段々と‘しのちゃん’の様子がおかしくなっていった。

あんまり学校に来なくなって、悪い噂ばかりを聞く様になった。

あんなに仲良しだったのに
結局、最後の日まで‘しのちゃん’は来なかった。

越して来てから一度だけ手紙を送ったけれど、返事は来なかった。

代わりに別の子から、‘しのちゃん’が私から手紙が届いた事や、色々な悪口を嘘ばっかり言っていると聞いた。

けれども、その子だって‘あの頃’は私との交換日記を勝手に見せびらかしていたのだから、本当のところは結局分からないままで

けれども‘しのちゃんの両親が離婚した’という噂は本当の事らしかった。

転校前の最後の日、私は泣き真似をしながら「これまでありがとうございました」とクラスの皆の前で挨拶をして、大学ノートを配った。

それまでの短い人生の中で、あれほど清々しかった事は無い。

‘みわちゃん’が来ていた同窓会に‘しのちゃん’は来なかった。
‘私との交換日記を皆に見せびらかしたあの子’は来ていたけれど、挨拶も交わさないままだった。

だって、「あの頃」嫌いだと言っていた‘気の強い偉そうな女子’と楽しそうにしていたから。

それ以降も本当に色々な経験をした。
が、「時効」で許されるのはこっちに越してくる前の中学2年生の話までだろうと勝手に思っている。

30歳の私は
タバコもギャンブルも、本当の意味での男遊びもした事がないし、お酒も滅多に飲まない。

「人生とは‘刹那’の繰り返し」

いつだって誰も悪くない。
なるべくして、そうなっただけ。

最後に…

この話はフィクションかもしれないし、ノンフィクションかもしれない。

本当の事は「私」しか知らないのだから。

【イノセント 完】

ここまでが約10年前に書いたもの。
次回は完結編。

「30年後のイノセント」
をお送りします。

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