20代になりたての頃に撮った作品。
当時私は大学生で、彼女は田舎暮らしのOL。
中小企業のOLなのに、
パンチが効いた容姿に魅了されて、
また同い年ということもあって
彼女とはすぐに仲良くなった。
出会いのきっかけは当時流行っていたSNSのmixi。
普通に生活していたら出会うこともなかった彼女とネットを通じて出会い、
10年経過した今もお互いにたまに連絡をとったり関係が続いている。
私は学業の合間に、彼女は仕事の合間に集まっては
お互いが好きな事に没頭して、楽しい事だけをしていたあの頃。
お金なんか気にしてなくて、時間なんて気にしてなくて、
好きなことを続けた先なんか想像すらしてなかったあの頃。
彼女とクラブに行っては音楽に酔いしれて
酔いに任せて、下手くそな踊りを馬鹿みたいに見せびらかして
フラフラになるまで飲み明かして、スナップ写真撮って、遊んでたあの頃。
一緒に数えきれないほどの夜を明かし、迎えた朝の空気は
いまだ肌に、記憶に、染み付いている。
それから私は大学を卒業し
彼女は脱サラして夢を追って東京へ行ってしまった。
離れ離れになった環境下で
お互いが、お互いの道を進み続け
お互いが、お互いの挫折に打ち当たり、身体も壊し、精神の波に襲われながら
お互いが、お互いの人生に苦しんだ20代。
そんな20代ももうすぐ終了間近。
彼女は当時抱いていた夢を叶え、
アートメイクのアーティストになった。
私も独立をして、一人細々と撮影業を営むようになった。
お互い好きなことを追い続けて、手に職を付けたことは、
好きなことを追い続けた結果の一つなのだと、実感できる瞬間だった。
馬鹿みたいにはしゃいで、
眠気なんかこない日々を楽しんでいたあの頃から
私と彼女の、今立っている位置はどう変化しているのだろうか・・・
互いの人生を開拓していく途中過程で、
私が密かに抱いている夢は実はまだ叶っていない。
それまでは現状満足することもないだろうし、
そのためにもまだまだ苦しんで、
そのためにもまだまだ走り続けれなければならない。
いつか彼女と一緒に、
何か大きな仕事を成し遂げるために。
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余談:学生の頃に発表したこの作品を、フランスのとあるファッションウェブマガジンが目に留めてくれて、取材記事を載せてもらえた記憶に残る1枚。Facebookのメッセージで下手くそな英語でやり取りをして、1枚の記事に仕上がった時に、彼女にも連絡したんだったかな。