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10日ほど降り続いている雨に
音信不通

降り出した雨の日に
「わたし、雨嫌いなんだよね」って

ご機嫌と不機嫌が同居するキミは
あれから何をしているのだろう

退屈は彼女にとって敵なのだろう

 

 

 

ひとしきり一人遊びして
部屋中を転げまわっていた彼女の残像が
今でも部屋を占領している。

 

 

 

 

あれから1週間ほど音沙汰がなく
彼女の持ってきたコーヒーの空き缶に入れた道端の三つ葉は元気をなくし項垂れているというのに。

窓際に置いた空き缶を眺めながら少し窓を開け
雨の音を聞き駅のホームに着く電車に君の姿を探す。
雨が嫌いな人は数いれどあれほどまでに雨を毛嫌いしてる姿を
自分は見たことがない。
自分はというと逆に異常なほどに雨が好きだ。
傘が嫌いで、外に予定が入っている日以外は
どんなに降っていても差したことがない
それにこうやって部屋から聞く雨の音に居心地すら感じている。
今ではもうないが子供の頃といえば大雨の日に公園で一人で遊び
水たまりをダイブして回る。
雨を傘ひっくり返した中に溜め思い切り自分にかける。
さすがに今はしないことだけども。

「あの頃は自分の大国だったね」
なんて誰もない部屋でつぶやいて彼女がどう返すかを想像しながら一人
しばし妄想を楽しんで見る。

彼女との出会いは考えてみると仕事にも制作にもかなり良い影響を及ぼしている。
これまで書けなかった人に対する想いだとか、それは今まで忌み嫌っていた
恋愛ごとを綴る若いアーティストが歌う歌詞のようなものが素直に出てくる
少しむず痒い感じもあるのだけども。
どちらにしても自分の中にある空想の一人遊びは今まで以上に退屈することは無くなった。

そして、誰かに対して嘘をついて演じていた自分に
少しほんとを塗すことができるようになった。

 

 

「何やってんだか、ちゃんと食ってんの?」
「大丈夫か?」
なんていないキミに少し乱暴な独り言。

 

「来週あたり1度帰って来なさい」
雨続きの毎日に実家から電話が入り来週あたり実家に帰ることにした。

いない間彼女のことが気になる。

「鍵はポストの中」
そうメッセージに残しておこう

 

 

 

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被写体
rina 

写真 /文 /Tシャツ
@hagu,umitsuki
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1Room The story of one girl /268

 

 

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