#20 イノセント1

9年程前に
「イノセント」
という文章を書いた。

そして今朝方、その物語の続きを夢で見た。

確かあの子は喘息持ちで、あの頃から入退院を繰り返していたっけ。

あの子と一緒に変わってしまった街…「あたし達の世界」を見て歩く夢だった。

「30年後のイノセント」

書かねば。

と、何だか思った。

その前に、9年前にアメブロに掲載していた「イノセント」をそのまま掲載する。

長いけど…
是非お付き合い下さいね。

【イノセント】

9月1日。

毎年8月31日に泣きながら宿題やって
結局間に合わずに9月1日

「持ってくるの忘れてきました」

って言って、2~3日引っ張る。

そんな子供だった(笑)

まさに自宅から道路一本挟んで向かい側が学校の校門で

登校時間3秒なのに何故か遅刻する

休み時間
お腹が空いて勝手に家に帰っておやつ食べちゃう。
昼間は両親共働きだったから、家の鍵を持ち歩いていたしな。

担任が変わる度に、職員室に呼び出されては
「いじめられているんじゃないか?」
と、
心配そうに聞かれ

その度に
「そんな事はありません」
ってきっぱり答えた。

友達との遊び方?

そんなの知らない。

あきちゃんも
さっちゃんも
みかちゃんも
まいちゃんも

あたしが
「遊ぼう」
って誘うと、いつも忙しかったもの。

他の子達が誘った時には遊んでいたのに。

きっといつでもあたしのタイミングが悪かったのだなぁ…

唯一、‘ヒロ君’だけは時々遊んでくれたけど、皆に見付からない様に、よく裏口からうちに遊びにきた。

‘ヒロ君’はあたしと遊んでくれるから、とっても優しい男の子だ。

中学生になって、そんな‘ヒロ君’は登校拒否になった。

そのまま2度と合う事も無かった。

昼休みは
食べられない給食とにらめっこで過ぎてゆく毎日。

給食の時間になると、毎日胃が痛くなるんだもの。

せっかく食べられるデザートは
ぜんぶ‘なんとか君’っていう男子に取られちゃう。

あたしのものにはバイ菌がついてるって
みんな言うのに…
‘なんとか君’っていう男子のお腹は大丈夫なのかなぁ?

どうか‘なんとか君’っていう男子がお腹を壊しません様に…

よく隣同士の席になった‘ケイイチ君’は、しょっちゅう不機嫌だった。

機嫌が悪いと必ず、隣の席からあたしの腕を殴るものだから

あたしの左腕はいつでもアザだらけだった。

‘ケイイチ君’は毎日機嫌が悪かったから、あたしは毎日殴られた。

ある日
突然‘ケイイチ君’はどこかに転校して行った。

あたしの腕のアザは日に日に薄くなり
いつの間にか消えて無くなった。

毎日が平和になったけれど
平和以上の何も起こらなくなった

相変わらずみんな忙しいみたいで、休み時間も忙しいみたいで、仕方がないからあたしは…

何をしてたかなんて覚えてないや。

つづく。

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