私は生きる覚悟を持っている人が好きで惹かれるのだけれど
最近
死を覚悟した人の作品が持つ切迫感に強く惹かれるという人に出会った
んで、初めてお話しした時にね、
嫌な事、辛い事があっても死にたいとは思わないんだけど、人生好調だし何の不満も無いから、満足したら自殺しようと思って色々と調べています
という様な事を言っていた
その話を聞いた時、話しぶりや目を見ていて
「この人は本当に最期はそうするのだろうな…そんなに遠くない未来に」
なんて思ったのだけれど
「やめなよ」
とは言わなかった
何となく、
それで良いのだろうな…
という気がしてさ。
「遺作になる様なものを作りたくって写真を撮り始めたんです」
と、その人は言っていた。
今、お互いの生きてきた背景や好きな事等沢山の事を話しながら撮影イメージを作っている最中
「撮影って被写体は撮り手を信じて崖から飛び降りる様なもので、撮り手は被写体が飛び降りてきた時に絶対に受け止めるか最期までシャッターを切る覚悟があって初めて良い作品になる」
って話を幾度となくしてきたけれど、逆のパターンもあるのだな…と思った。
もしも満足のいく作品が撮れたら恐らくその人は実行してしまうだろう。
つまらなかったと思えばこれからも生きて撮るのだろう。
私は勿論、その人にとっての遺作にするつもりでカメラの前に立つだろうね。
…っていうどこか遠い世界の作り話。